Welina Interview Vol.02 東急ウェリナ旗の台 管理栄養士 熊谷 まゆか × 東急ウェリナ旗の台 料理長・調理責任者 津村 征樹

Welina Interview Vol.02

東急ウェリナ旗の台 管理栄養士 熊谷 まゆか × 東急ウェリナ旗の台 料理長・調理責任者 津村 征樹

2012年に開業した「東急ウェリナ旗の台」は、全67室のお一人入居専用シニアレジデンスです。家族のように寄り添うスタッフが、ご入居者様の暮らしを支え、見守ります。今回は、ダイニングで提供しているお料理について、津村料理長と熊谷栄養士に語っていただきました。

「銀座スエヒロ」協力による
味わい豊かなメニュー

津村:私は約10年前に「東急ウェリナ旗の台」が開業する際に、料理長として着任しました。当時の「銀座スエヒロ」では、サービス付き高齢者向け住宅の食事サービスを行うのは初めてということもあり、責任感と緊張感をもって着任しました。以来、ご入居者様のご要望を伺いながら、食事サービスの責任者として、味わいはもちろんのこと彩りや香りの面でも食べたいと思っていただけるような献立を心がけています。

熊谷: 保育園の栄養士として勤めた後、2013年に「銀座スエヒロ」に入社しました。入社後の研修でこちらの「東急ウェリナ旗の台」に伺い、そのときに津村料理長のプロフェッショナルとしての姿勢に感銘を受け、「東急ウェリナ旗の台」での勤務を志願しました。その後ステップアップを目指し、働きながら勉強して管理栄養士の資格を取得しました。「東急ウェリナ旗の台」では最初はホールのお仕事をしながらご入居者様のお顔やお名前を覚え、今では管理栄養士として献立づくりの仕事をしています。

津村: 現在、毎日3食の献立については、基本的には熊谷が健康面や栄養面に配慮しつつ考えてくれています。私は季節感を盛り込む術やイベントなどの際のメニューをアドバイスすることもあります。

健康に配慮しつつ、
グルメなご入居者様に
ご満足いただけるように

熊谷: カロリーや塩分量、栄養バランスなど健康面については、本部の管理栄養士と連携しつつ考慮しています。なかには塩分制限がある方もいらっしゃいますので、そうした場合は特別な対応をとらせていただいております。塩分量、水分量、アレルギー対応については、個別対応しています。

津村: 噛む力や飲み込む力に合わせて、切り方や固さを調整しています。例えばステーキの場合は、黒毛和牛など良いお肉を使い、レアやウェルダンなどお好みの焼き加減に合わせてお出ししています。またエビフライの場合は「サクサクのエビフライが食べたい」という方もいれば、「サクサクだと入れ歯に挟まって痛い」という方もいらっしゃいます。サクサクが苦手なご入居者様には、1回蒸して衣を柔らかく仕上げてお出しするなど配慮しています。さらに皆さまそれぞれ生まれ育った環境が違うので、濃い味付けをお好みの方もいらっしゃれば、薄味がいいという方もいらっしゃいます。試行錯誤を繰り返しつつできる限りご要望に対応し、ご満足いただけるようにと心がけています。

熊谷: ご入居者様一人ひとりのご要望を反映するという面では、お誕生月にご本人にリクエストをお伺いして、ご要望のメニューを召し上がっていただく機会を設けています。「昔食べた○○が食べたい」「子どもの頃にこういうのを食べた」といったリクエストも多いです。

津村: 「幼い頃に行った故郷のパン屋さんのパンが食べたい」というリクエストをいただいた時は、お店を調べて、電話でどんな感じのパンなのかを伺ってつくったこともあります。取り寄せができる場合は取り寄せもして、なるべくご入居者様のリクエストを叶えるようにしています。「なかなか食べられなかったものが食べられた」と、とても喜んでくださいます。

熊谷: ホールを担当していると、お誕生日のリクエストメニューを召し上がったご入居者様が「美味しかったです、ありがとうございました」と言って下さるのが、とても嬉しいですね。

季節感を大切にした
イベントメニュー

熊谷: 行事や祭事のメニューは、東急ウェリナ旗の台との会議で決めますが、ご入居者様にアンケートで召し上がりたいメニューをお伺いすることもあります。ステーキやお刺身、豚カツやエビフライなど揚げ物の人気が高いです。

津村: 最近好評だったのは、うな重です。アツアツの鰻を召し上がっていただきたいと考え、限定6名で2日間にわたって行いました。「東急ウェリナ旗の台」9周年イベントでは、皆さまが大好きなエビフライと、「銀座スエヒロ」の黒毛和牛と国産豚の煮込みハンバーグをご提供したいと思っています。

熊谷: 旬を味わっていただく献立としては、松茸づくしも企画しています。松茸ご飯と天ぷら、茶碗蒸しとお吸い物、さらに鰻とメロンという内容です。これからも皆さまに美味しく召し上がっていただけるよう、季節感を大切に献立を考えていきたいです。

一人ひとりへのきめこまやかな
対応を心がける

津村: 10年近く「東急ウェリナ旗の台」で料理長をさせていただいているので、ご入居者様のお好みや召し上がる量などもだいぶ把握できるようになってきました。

熊谷: 特にごはんの量によって、その日の体調がわかりますね。ふだんと比べてあまり量を召し上がらない場合は、体調をお伺いすることもあります。

津村: ご入居時に「固いものが食べられないのでお粥を出してほしい」という方がいらっしゃいました。最初からお粥を出してしまうとそれ以上固いものを食べられなくなってしまうので、お話させていただいた上で普通のご飯をお出ししたところ食べられるようになった方もいらっしゃいます。「今まで食べられなかったものが食べられるようになった」「いろいろなものが食べられるようになって元気になった」と言っていただいたり、食で体力がついて元気に過ごすお姿を拝見するのは励みになります。

熊谷: お野菜の好き嫌いなどについては、苦手なお野菜をゼリーでコーティングするなど工夫して、なるべくお野菜を摂っていただけるように工夫しています。お食事は皆さまの元気の源ですので、毎日の朝・昼・夕食を美味しく召し上がっていただくために、今後も精一杯努めてまいります。

Profile

津村 征樹Masaki Tsumura
調理師学校を卒業後、鮨店や有名和食店などで修業し、25歳で「銀座スエヒロ」に入社。2012年より「東急ウェリナ旗の台」に勤務。ご入居者様の立場に立って食事を作り、提供することをモットーに、ご入居者様から声がかかる前にこちらから気付いてサービスできるよう心掛けている。
熊谷 まゆかMayuka Kumagai
大学卒業後、保育園の栄養士として働きながら勉強し、2013年に「銀座スエヒロ」に入社。「東急ウェリナ旗の台」に配属後、管理栄養士を取得。よく見て、よく聞いて、よく考えることを意識して、仕事に励んでいる。